
折りたたみ自転車とかサイクリングについて検索していると『ポタリング』というキーワードが出てきて、これ何だろ?と思った方も多いかと。私もそうでした。
ポタリングとは、簡単に言い換えると『お散歩感覚のサイクリング』。
この記事ではまず『ポタリング』について良く聞かれる疑問について解説してみました。
この記事を読めば、ポタリングが想像以上に敷居が低く飽きが来にくい趣味だとわかります。
また、お友達にポタリング始めたよって話して『それ何?』ってツッコまれたときにでも、ちょっとした小ネタとして披露できること間違いなし。
私も実際ポタリングを始めてみると、ただの交通手段以上の驚きとカタルシスを体験でき、仕事以外にも前向きにチャレンジできる趣味ができました。
ぜひ、ポタリングがどんなものか読んでみてください。
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ポタリングとは? ~言葉の由来と意味~

『ポタリング(puttering、またはpottering)』とは、英語の『putter(のんびりする、ぶらつく)』に接尾辞(ing)を付けた和製英語(※英語で正しくは「bicycling around aimlessly」となるようですが、ニュアンスの問題もあるのでネイティブの方に聞いてみたほうがいいかもしれません)です。略してポタと呼ばれることも。
散歩するような感覚でのんびり(時には行き先も決めず)ぶらぶらするサイクリング、それがポタリングです。
putterはゴルフでボールを転がすときに使うパターの意味もあります。それだとなぜパタリングにならなかったんでしょう?不思議です。
一方、イギリス英語ではpotterと表記しますが、何だか見たことが…そう!ハリー・ポッターのファミリーネームです!ハリー・ポッターの作者、J・K・ローリングさんはポッターと名づけた理由として、近所に住んでいた家族の姓が昔から好きだったと語っておられるようです。
ちなみにpotterには陶工とか陶芸家という意味も。海外の姓の由来はSmith(鍛冶屋)のように先祖の職業に由来している事もあるので、そのご近所さんも陶工の血筋だったのかも…と、ついポタリングから脱線しちゃいましたね。
ポタリングの定義 ~ポタリングとサイクリングの違い~
ポタリングとは上記で書いたように、散歩するような感覚でのんびり(時には行き先も決めず)ぶらぶらするサイクリングをそう呼びます。なのでポタリングもサイクリングの中の1カテゴリー、楽しみ方のひとつということです。
厳密な定義はないのですが…

50㎞くらいならポタリングかな?



大丈夫!休みながらだったら100㎞くらいは余裕でしょ!
と様々で、『のんびり』といっても乗り手の経験値や主観しだい。15~100㎞なんて書いているサイトもありますね。
結局、『あなた自身』の体力や時間感覚と相談して楽しく走ったり、色んな所に立ち寄って気分転換できるなら、たとえ10㎞未満でも立派なポタリングです!ちなみに体力に自信ない私は往復20~30㎞でお腹いっぱい…です。
ポタリングの歴史


耳慣れない単語なのでてっきり最近のアウトドアブームに乗っかって打ち出された造語と思いきや、調べてみると戦後10年たったかどうか…くらいの頃には『ポタリング』という言葉が存在していたようです。
サンスター自転車のカタログ『たのしいサイクリング』(※リンク先は下記の参考元サイトです)は1950年代に発行されていたようですが、このカタログの10ページ目に、サイクリングの楽しみ方のバリエーションとして『ポタリング』が紹介されています。
もともとサイクリングの歴史自体100年は超えるものですし、ポタリングという言葉が存在する前からそういった楽しみ方があったであろうことは想像に難くないですよね。
参考サイト 追憶のカタログ展Part68:1950年代サンスター自転車
ポタリングのジャンル
ポタリングはどこから自転車に乗るか?どうやって自転車をスタート地点まで運ぶか?でジャンル分けされます。ポタリングを始めるときの自転車選びにも影響するので、参考にしてみてください。
自宅から直接


学生時代は通学や遊びによく通った道や町並みも、大人になって通ると新しいお店に出会ったり視点が変わって新鮮に見えるものです。
逆に、よく通ったお店がなくなったりしてちょっとした郷愁も…
行動範囲が限られるので何度も走るうちにやや新鮮味も薄れますが、目的なく走るからこそ立ち寄りたくなる場所がたくさん見つかるはず!
どんな自転車でも楽しめるのでぜひここからスタートしてみましょう。
輪行


鉄道やタクシーなど公共交通機関を使って、自転車を目的地に運びそこから走り始めるスタイルです。まさに非日常を経験できるポタリングのだいご味が堪能できます。
輪行には基本、専用のバック(輪行袋、輪行バッグ)が必要になります。
理由は、鉄道などでは自転車はバッグなどに収納し、サドルなど車体の一部がはみ出てはいけない規則になっているからです。
なので輪行袋などに収まる折りたたみ自転車や、簡単にタイヤなどを外せるロードバイクやクロスバイクが輪行向きの自転車ということになります。
なお、公共交通機関によっては自転車の持ち込めるサイズなどに制限や条件があったり、自転車自体持ち込めない場合もあるので、事前にお問い合わせください。
車載


自家用車の荷室や後部座席に自転車を載せたり、カーキャリアを使ったりして目的地付近に駐車、そこから走り始めるスタイルです。車の種類や載せ方次第でどんな自転車でも大丈夫。
輪行と違い、時間や自転車の持ち込みに気を配ったり労力を使わない代わり、駐車場所探しには注意が必要です。有料駐車場(できれば定額の)や、道の駅なども候補にあがると思います。
道の駅なら公式HPに記載されているお問い合わせ先、それ以外の駐車スペースを探される場合は事前に目的地の自治体の観光課にお問い合わせいただいた方が、心置きなくポタリングを満喫できますね。
宅配便で


車で行くにも遠い。輪行で自転車を持っていくのもつらいくらい遠い場所なら、宅配便を使うという選択肢があります。
到着までに日数がかかり、また天候など不測の事態に荷物の到着が遅れることも考えられますので、現地である程度以上の期間滞在できる場合に限られます。
輸送時の衝撃などから自転車を守るため輪行袋ではなく段ボールや輪行箱、場合によっては中に詰めるパッドなどが必要。
配送業者さんによって扱えるサイズや重量、パッキングの仕方などが異なります。



どのくらいの大きさの自転車まで運んでくれるの?
箱は自分で用意しないとダメ?



配送業者さんによって変わるよ。
業者さんによっては専用の輪行箱を販売している所もあるんだって!
下にリンク貼っておくね。
※一部ブログではヤマト運輸の場合、宅急便ではなくヤマト便でなければ自転車の宅配はできないという記事を見かけますが、ヤマト便は2021年10月に廃止されました。代わりに宅急便の宅配可能なサイズの上限が変更になりました。
よってそのサイズ内の梱包であれば宅急便でも可能です(ただし一部の大きいサイズはコンビニからの発送、受け取りはできません)。
あと忘れがちなのが宿泊前に宅配した荷物を預かってくれたり、荷ほどきした後の自転車、梱包資材を置かせてくれる宿泊施設の手配。梱包資材が帰りに再利用できるのか?も慎重に検討しなければなりません。
取り扱いサイズや重量、代金、梱包など注意点も先のリンクよりご参照ください。
結構な金額になりますので現地でレンタサイクルを借りられるならそれに越したことはありませんが、乗り慣れた愛車と走れるのなら…悩ましい…
※電動アシスト自転車(折りたたみ式も含む)は小型車両とみなされ、サイズ以内でも普通の宅配便で取り扱いできず、特別な配送方法を利用しなければならない場合がほとんどです。その点も自転車購入の際には考えるべきポイントだと思います。
ポタリングは好奇心の扉!! ~ポタリングの楽しみかた~
先に述べたように、ポタリングの特徴は自転車に乗ることが目的ではなく、興味がわいた場所で寄り道して楽しむ事!これこそがみなさんにポタリングをお勧めしたい一番の理由です!
普段通り過ぎてしまうようなお店なんかでも、ポタリングのイベントだと思えばひょいと入れちゃう!そこから自分のお気に入りの癒しスペースを見つけられたり、新しい趣味にだって目覚めちゃうかも!?
そうポタリングは、自分の視野や世界を拡げる魔法の扉なんです!
だからこそ色んな楽しみ方があるので参考までに挙げておきます。ポタリングをどう満喫するのかイメージしてみてください!
グルメポタ


パスタ、うどん、ラーメン。パン屋さん巡りも考えるだけでほっぺが落ちそうです。
B級グルメなんかもオススメ!自転車で適度に腹ごなししながらおいしいものも堪能できます。
カフェポタ


グルメポタの一種とも言えますけど、おいしいコーヒーやデザートだけでなく、喫茶店ってお店によって色んな個性がありますよね。
いい喫茶店は時間の流れ方まで特別に感じます。自転車で街を流しながら穴場的なお店を捜す…素敵な時間の使い方だと思います。
ロケポタ


ロケーションポタリング、略してロケポタ。一般的な呼び名でありませんが、語感がよさそうなので勝手に私が名づけました(汗)。
一般には主に走る場所の名を冠して『海ポタ』とか『〇×湖ポタ』と呼ばれています。次に紹介している花見ポタなども一種のロケポタ。
海や川の堤防沿い、田畑や緑に囲まれた田舎道など、心が解放されるようなロケーションを味わいながら走る。ポタリングのみならずサイクリングの王道的な楽しみ方です。
のんびり、時には立ち止まって映えるポイントでインスタ…なんてのいうのもいいですね。
ただ、景色に夢中になってよそ見運転は大変危険です! 素敵な場所を見つけたら後ろに気を付けながら自転車を降りて、安全を確保してから景色を眺めましょう。
花見ポタ、紅葉ポタ


手作り弁当やパンを持参して桜のみならず、あじさいやコスモス、紅葉など四季折々、花や木々の彩をめでる。自転車なら地元の人しか知らないような隠れ名所にも出会えるかも。
鉄ポタ


輪行と相性抜群のポタリング。気になる駅で降りて電車や駅を撮影したり、周辺をポタリングしてまた違う電車に…と、思う存分鉄道を満喫(鉄ヲタの間では『鉄分を補給』なんて言いますよね)できます。
寺社、史跡巡りポタ


これもすごくオススメのポタリングです。お寺や神社、それに史跡は地域にほどよく集まっていることがほとんどですが歩いて回るのはなかなか大変。
それらにあやかったグルメとか博物館などの関連施設などもまとめて見たり体験したいなら、自転車の方が断然オススメ!
温泉ポタ


自転車であちこち回った後、疲れを癒しに温泉に入る…のが目的のポタリングです。場所によっては別府などのように温泉が狭い地域に集中している所もあるので温泉バイキングみたいな楽しみ方も。湯冷めに注意!
旅ポタ、町巡りポタ


町の情緒を五感で体感するポタリングです。名のある町でなくても構いません。看板や建物などレトロなものを探すとか、町の食堂や商店街で食べたり見たり聞いたり。時には宿泊したり。
上記にあるポタリングの楽しみ方全部乗せで、旅番組や情報誌、観光サイトなんかでは教えてくれないような新鮮な驚きが、日常のモヤモヤを吹き飛ばしてくれること、間違いなしです!
まとめ
- ポタリングとは散歩のようにのんびりマイペースで散策するサイクリングの一種
- 距離は数kmから100kmと諸説あるが、結局は自分が楽に走れるくらいでOK
- ポタリングという楽しみ方は少なくとも1950年代には紹介されていた
- 自宅からだけでなく、車や電車、宅配便など色んな方法で自転車を運べて楽しめる
- ポタリングからグルメやカフェ通いなど、新しい趣味や癒しとの出会いが生まれる!(ここ大事)

